ビットコインはどのように成長してきたのか?
最近耳にする事が多くなった「仮想通貨」
それは2009年に生まれたビットコインから始まります!
すでに誕生から9年が経過したビットコインは、
どのような過去を経て今の価格があるのか?
そして今後どうなって行く事が予想できるのか?
時系列に沿って解説していきます。
全期間の値動き
2009年
ビットコインは2009年の幕開けとともに誕生しました。
ビットコイン生みの親「Satoshi Nakamoto」氏がビットコインに関する論文を発表した10月から約2ヶ月後のことでした。
黎明期であった2009年は取引すらできない状態で実質的
にほぼ無価値であったと言えます。
※黎明期=ある事柄が形になる前の始まりの時期を表す。
2009年1月3日・ビットコイン誕生
日本時間で2009年1月4日午前3時15分5秒に最初のブロックが生成され、
初めての仮想通貨ビットコインが誕生しました。
この際に作成されたブロックは「ジェネシスブロック(Genesis Block)」と
呼ばれており、今でも確認することができます。
ジェネシスブロックにはSatoshi Nakamoto氏によって
" Chancellor on brink of second bailout for banks "という言葉が刻まれています。
この言葉は「大臣が二度目の銀行への救済を決めようとしている」 という意味で、Nakamoto氏が中央集権的な経済の仕組みに問題提起をしていたと考えられています。
2009年10月5日:ビットコインに価格がつく
New Liberty Standardによって初めてビットコインに価格が付けられました。
1BTCあたり0.0007639ドルという価格が提示され、
ビットコイン生成にかかった電気代を元に算出されました。
2010年
2010年においてもビットコインはまだまだ黎明期ですが、
ごく一部の人に知られていくにつれ価格も後半からは少しずつ上昇していきました。
この年には初めて取引所に上場し、一般の人でも入手することが可能になりました。
2010年5月22日:ビットコインを使用した初めてのピザの売買
フロリダ在住のプログラマー、ラズロ・ヘネイヤス氏が
10,000BTCでピザ2枚を購入しました。
この日は初めてビットコインを使用して品物の購入が行われた日として
「Bitcoin Pizza Day」と呼ばれ、
ビットコイナーの間では重要な記念日となっています。
実際にはピザ屋がビットコインでの決済に応じたわけではなく、
ビットコインを受け取った別の男性がピザを代理購入しています。
2010年7月18日:大手取引所Mt.Goxにビットコインが上場
後に世界最大の取引所となり、最悪の事件を引き起こすことにもなる
Mt.Gox(マウント・ゴックス)に上場します。
上場当時のレートは日本円で1BTC=7円でした。
2010年8月15日:ビットコインの脆弱性をついて1840億BTCが偽造
ビットコインのバグを突いた攻撃により、1840億BTCが偽造されます。
ビットコイン存続が危ぶまれる深刻なセキュリティ事故となりましたが、開発チームによって迅速な修正が実施され事なきを得ます。
2011年
2011年は中頃にかけてビットコインの価格が一時30ドルにまで高騰したものの、
取引所のハッキングなどの影響により最終的に年始めと同じ水準に落ち着きました。
ビットコインに期待し始めたごく一部の層も事件によって市場から離れていき、
良くも悪くも存在自体は認知され始めた年と言えます。
2011年4月16日:TIME誌によってビットコインが取り上げられる
イギリスのニュース雑誌「TIME」によってビットコインの特集が組まれました。
大手メディアで初めてビットコインが取り上げられ、
一気に海外圏の一般層への認知が広まりました。
この後ビットコイン価格は急激に高騰していき、最大で31.91ドルをつけます。
2011年6月19日:Mt.Gox取引所がハッキングされる
Mt.Goxがハッキングされ、取引所を利用していたユーザーの情報が流出しました。
取引所の利用は1週間停止され、一時30ドルを記録していた価格は
年末にかけて2ドル程度まで落ち込むこととなります。
2012年
2012年は派手な高騰こそなかったものの、
年間通して価格水準は徐々に向上していきます。
2012年11月15日:WordPressがビットコイン決済に対応
大手ブログサービス会社WordPressがビットコイン決済に対応します。
ビットコイン決済に対応する事業者としては当時最大の規模となりました。
2012年11月28日:ビットコインのマイニング報酬、最初の半減期が到来
210,000ブロックの生成ごとに実施されるビットコイン報酬の最初の半減期が訪れ、
マイニング報酬は50BTCから25BTCとなりました。
2013年
2013年のビットコイン価格は大きな変動もなく推移していましたが、
年末に日本で初めてビットコインが大きく報道された事により
一気に価格を上げました。
年末にかけて一気に日本人の市場参加者が増えた年であると言えます。
2013年3月11日:バグによる一時的なハードフォークが発生
ビットコインバージョン0.8.0のバグにより、
数時間にわたって意図しないハードフォークが発生してしまいます。
この後バージョン8.0.1にアップデートされることによって無事修正されました。
2013年3月16日:キプロスの金融危機により高騰
キプロスで発生した金融危機によりキプロスの法定通貨への信用が低下しました。
その影響から仮想通貨の持つ非中央集権的な側面に注目が集まり、
ビットコインの価格が急上昇しました。
2013年10月1日:違法サイト「シルクロード」閉鎖に伴うビットコイン価格の下落
アメリカの違法薬物取引サイト「シルクロード」の
運営者が逮捕されることによって閉鎖されました。
「シルクロード」の取引にはビットコインが使用されていたため、
ビットコインの価格は一時的に20%程度まで下落します。
違法薬物サイト「Silk Road」が仮想通貨「Bitcoin」に与えた影響とは?
2013年12月4日:NHKによってビットコインが特集される
NHKによってビットコインの特集が組まれ、放送されました。
日本におけるビットコインの認知度は一気に高まり、
一時1BTC=127,000円を付ける程に価格は急激に上昇します。
2014年
2014年はビットコイン史上最悪のハッキング事件
マウントゴックス事件が起きた事により価格は低迷していきます。
しかし水面下では仮想通貨に関する多くの企業が設立されており、
後に仮想通貨界を牽引していくことになります。
2014年2月:最大の取引所Mt.Goxがハッキング被害を受け閉鎖する
ビットコイン史上最悪のハッキング事件、マウントゴックス事件が起きます。
Mt.Gox取引所がサイバー攻撃を受け、
約75万BTCと顧客の預けていた現金28億円が盗まれました。
この事件により世間の仮想通貨に対する不信感は強くなり、
価格はこの後下落の一途を辿ることとなります。
2014年4月~9月:大手仮想通貨取引所が次々とサービス開始
以下の現在における代表的な仮想通貨取引所が次々とサービスを開始していきます。
- 4月1日 etwings取引所がサービス開始 (後のZaif)
- 5月26日 bitFlyer取引所がサービス開始
- 6月18日 bitbank取引所がサービス開始
- 6月30日 Quoine取引所がサービス開始
- 9月19日 coinheck取引所がサービス開始
2014年6月13日:マイニングプール「Ghash.io」のハッシュレートが51%に到達
Ghash.ioのハッシュレートが51%に到達する事によって、
ビットコインの「51%攻撃」への懸念が強くなりビットコインの価格が下落します。
他のマイニングプールへの移動が呼びかけられ、
今後マイニングプールのハッシュレートは39.99%にまで抑えられる事となりました。
2015年
前年度に引き続き2015年も大きく価格が変動することがありませんでしたが、
メディアへの露出、好材料が揃ったことから年末にかけて
上昇トレンドへと推移していきます。
2015年1月4日:Bitstampがハッキング被害を受ける
Mt.Gox閉鎖後最大の取引所だったBitstampがハッキング被害を受け、
510万ドル相当のビットコインが盗難されました。
この事件を受け、ビットコインの価格は下落することとなります。
2015年10月22日:EUの欧州司法裁判所により仮想通貨の取引が非課税と判定される
欧州司法裁判所により仮想通貨売買において付加価値税、
消費税が非課税とされました。
EU圏内でのビットコイン売買が盛んになり、
ビットコイン価格は大きく上昇しました。
2016年
日本ではDMM.comを始めとしたビットコイン決済が可能な事業者も
見られるようになり、ビットコインの価格は徐々に上昇していく年となりました。
2016年1月:ライトニングネットワークが提唱される
ビットコインのスケーラビリティ問題やマイクロペイメントを
実現するとされている技術、ライトニングネットワークが初めて提唱されました。
2016年7月9日:ビットコイン2回目の半減期
ビットコイン2回目の半減期が訪れ、
マイニング報酬が25BTCから12.5BTCとなります。
2016年8月2日:Bitfinexがハッキング被害を受ける
香港の大手仮想通貨取引所Bitfinexがハッキングを受け、
約12万BTCが盗まれてしまいました。
取引量が当時世界最大規模であったこともあり、
一時的にビットコインの価格は下落します。
2017年
2017年末は仮想通貨バブルとも呼ばれ、取引所のCMが流れたり
本や雑誌で話題になったりと多く取り上げられ、
一時ビットコイン価格が200万円を超えるほどに市場が盛り上がりました。
仮想通貨のワードを耳にする機会が格段に増え、
もはやビットコインを知らない人はほとんどいなくなりました。
2017年4月1日:改正資金決済法が施行、仮想通貨交換業者が登録制となる
日本で初めて仮想通貨について規定した改正資金決済法が施行されました。
この法律の施行により、国内で仮想通貨取引所事業を実施するには
仮想通貨交換業の登録が必要となりました。
2017年8月1日:ビットコインキャッシュが誕生
ビットコインのブロックチェーンが初めて意図的にハードフォークし、
ビットコインキャシュが誕生します。
ブロックサイズは8Mまで拡張され、
ビットコインのスケーラビリティ問題を解決するとして期待されました。
2017年9月15日:中国取引所の取引停止が発表
中国の仮想通貨に対する規制が強化され、取引所が閉鎖されました。
中国国内の大手取引所は10月中に取引停止することとなりました。
2017年12月8日:ビットコインが最高値を記録
ビットコインが史上最高価格、1BTC=2,350,000円を記録しました。
同時期に取引所のテレビCMが放送される機会も増え、
市場参加者が一気に増加しました。
2018年
2017年末にかけて加熱した仮想通貨市場も、
2018年頭のNEM流出事件をはじめとする悪材料が重なり暴落していきます。
2018年はビットコインのみならず幅広い仮想通貨にも注目が集まっています。
2018年1月26日:コインチェックがハッキング被害、NEMが流出
日本の大手取引所coincheckがハッキングを受け、
580億円相当のNEMが流出しました。
国内でcoincheckを利用していたユーザーも多く、
ビットコインをはじめとする仮想通貨市場が全体的に暴落しました。
2018年4月23日:一般社団法人「日本仮想通貨交換業協会」が設立
仮想通貨交換業の登録を受けている16社によって
「日本仮想通貨交換業協会」が設立されました。
仮想通貨業界の健全な発展を目指すため、
業界団体によって自主規制をおこなっていくとされています。
ビットコインの今後の値動きは?
2018年に入ってからビットコイン価格に関して
悲観的な見方がされることも多いものの、
歴史を振り返ると価格が半分以下に下落することは
決して珍しくないことがわかります。
短期的な下落はあれ10倍程度の価格上昇は2~3年以内にはこれまで起きており、
今後ビットコイン価格が1000万円に到達するのも決して夢ではありません。
ビットコイン相場はこれまでの傾向だと年末に過熱することが多く、
2018年末の価格上昇が期待されます。
まとめ
ビットコイン価格推移の歴史と大きなイベントを時系列に沿ってご紹介しました。
有名になったのはここ1~2年ですが、
ビットコイン自体は10年近くの歴史の中で何度ものハッキング、アップデート、
法規制等の影響を受けて成長しています。
ビットコインはスケーラビリティ問題のような技術的な問題、
法整備の問題を始めとした課題は沢山あるものの、
確実に進んでいけば今後世界標準の通貨になる可能性を秘めています。
今後参入企業が増加することも予想され、さらなる飛躍が期待されますね。
最後までお読み頂きありがとうございます(o・Д・o)